神様、私にあの子を返してください


天国も輪廻も信じてない

だけど

どうか彼女にそんな奇跡がおこりますように


わがままで自分勝手な私は

“安らかに”とか“ありがとう”なんて言えないでいる


あの子を連れて行かないで

こんなのやだよ、たえられないよ


何も写していないガラスのような目

だらりと力の抜けた躰


その姿もその感触も

こんなにも鮮明に脳裏に蘇ってくるのに


時間は当たり前のように流れていく

何も変わらない日常が過ぎていく

あの子の時間はあれから止まったままなのに


心の痛みが人を優しくするのなら

私は冷たい人間でいい


神様どうか

あの子を連れて行かないでください

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