長い関係を築く愛　－分かり合ってるという誤解　２－

Ａ：「お前ちょっと今日飲みすぎだってわかってるだろ。周りのやつらからジロジロ見られてたじゃないか。連れて帰らなきゃいけない俺の身にもなれよ。恥ずかしいだろ。」
Ｂ：「ちょっと飲みすぎてると思うよ。具合悪くなる前に一緒に帰ろう。お前のこと、心配してるんだよ。」

この2つ、言ってる事はどちらも“飲みすぎだから帰る”ってことなんだけど
かなり印象が違う。

Ａ：「まぁ、ダメみたいだから今夜はしょうがないか。別に平気よ。でもそろそろバイアグラでも考えたほうがいいかもね。」
Ｂ：「気にしないで、私は大丈夫よ。誰だって疲れてるときはあるわ。ごめんね、あなたが疲れてるのに無理言っちゃって。」

Ａ：「残業で疲れてんだよ。だらだらしゃべってないで、要点を言えよ。てか風呂入ってメシ食ってからでいいだろ。」
Ｂ：「話聞きたいとは思うけど、帰ってきたばかりでちょっと疲れてるんだ。ちゃんと聞きたいから、風呂入ってゆっくりしてから話そうよ。ちょっと休んでお前が作ってくれたご飯食べながら一緒に酒でも飲みながらってのはどうかな？」

ＡとＢ、言い方ひとつでこんなに聞こえ方が違う。
言い方の違いの後ろには相手の気持ちを考えているかどうかってことがある。

会話はキャッチボール。
バッティング・センターに行って、速度300ｋｍとかで打とうとする人はいないだろうし
テニスラケットもって行く人もいないと思う。
自分の投げるボールがテニスボールなのかバスケットボールなのか野球ボールなのか。
相手がボールにあうラケットを用意してかまえる前に
チェーンをぐるぐる巻きにした、すごいスピードのボールを投げちゃったら
あわてて逃げるかなんとか打ち返してもとんでもない方向に飛んでいっちゃう。

話をする時は、準備が出来ているか相手の気持ちを考えて
デッドボールにならないスピードで話したい。
近ければ近いほど狙いは定めやすいけど、その分考えずに投げればぶつかった痛みも大きい。
自分が打ちやすいボールを投げれば
相手も打ち返しやすいボールを返してくれるってこと
忘れないでいたい。

今、この瞬間の相手の気持ちや考え、彼の全てがわかってるって言えますか？